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夜尿症

夜尿症(おねしょ)の多くは、精神的な問題や行動上の問題が原因ではなく、医学的な疾患であるとされています。子どもに多く見られますが、成人にもみられることがあります。

夜尿症

夜尿に関する誤解、事実、および歴史

夜尿は昔から子どもに多くみられる問題であり、一部の成人にもみられます。これまでに、夜尿の理由としてさまざまな作り話や誤解が生まれてきました。

お子さんがおねしょをするのはストレスや不安が原因と考えるご両親が多く、中には単にしつけがなっていないからだと考える方もいます*。こうした誤解は、夜尿症の患者さんに対する意識や治療のしかたに影響を及ぼしています。

しかし、多くの場合、夜尿は精神的な問題や行動上の問題ではありません。夜尿症は医学的な疾患とされ、ヨーロッパ全体で500万人以上の子どもたちが夜尿に悩まされています。ですが、夜尿症は簡単かつ効果的に治療することができ、患者さんやご家族をつらい思いから開放することができます。

ほとんどの子どもは3歳までにおむつが取れますが、おねしょは5歳までみられることも珍しくありません。5歳を過ぎてもおねしょが続き、週3回以上みられる場合、夜尿症とみなされます。夜尿症は、薬剤やおねしょを知らせるアラーム療法 によって治療することができます。

* 英国の慈善団体であるERIC(Enuresis Resource Information Centre)が実施した調査

夜尿症の原因

  • 膀胱に貯められる量よりも多い尿が腎臓によってつくられるため。
  • 夜尿症の患者さんの多くは、膀胱の機能に問題はなく、睡眠パターンも正常ですが、膀胱がいっぱいになっても目が覚めません。

夜尿症が子どもや家族に与える影響

夜尿のある子どもには、怒り、不機嫌、恥ずかしさ、戸惑いが多くみられます。夜尿を恥ずかしく、気まずく感じており、こんなことをする子は自分だけだと思い込んでいます。

こうした孤独感から引っ込み思案になり、夜尿を知られるのが怖くて、外泊をともなう林間学校やお泊り会などの活動に参加したがらなくなります。

小児期に夜尿症を治療せずにいると、コントロールが難しくなることがあり、成人になっても夜尿症が続き、それを知られるのを恐れて、親密な人間関係を構築することが難しくなる場合があります。

ご両親も悩まれ、お子さんを心配する気持ちと、夜中に頻繁に起こされてシーツを変えなければならないことによる疲労の板挟みになります。

また、そうしたすべてのことが嫌になっていらいらし、自分の子どもが意図的にやっていると思い込むこともあります。

保護者の方へのアドバイス

まず知っていただきたいのは、夜尿症は誰のせいでもなく、お子さんの「トイレトレーニング」の仕方とも関係がないということです。

夜尿が気になる場合は、かかりつけの医師にご相談ください。受診することで、糖尿病、感染症、尿路系の構造異常などのまれな基礎疾患がないか確認し、適切な治療とカウンセリングを開始することができます。

医師に相談される前に、以下のことを試してみましょう:

  • お子さんに日中もっと水分を取るよう促す – お子さんによっては、学校でほとんど水分を取らず、それを補うために夕方以降に水分を取ることがあります。
  • 日中の水分摂取を制限しないようにし、コップ7~8杯分の水分を取るよう促す。
  • カフェインは尿量の増加につながるため、夕方以降にカフェインを含む飲み物(お茶、コーヒー、コーラなど)を飲まないようにする。
  • 就寝前2~3時間は水分を取らないようにする。
  • 就寝直前に2回トイレに行っておくようにする(5~10分程度間隔をあけて)。
  • 寝室からトイレに行きやすいようにし、トイレに行った後は自分のベッドに戻るよう促す。
  • 夜尿があった日となかった日を記録する – 夜尿がなかった日は褒めるようにし、夜尿があった日も責めないようにしましょう。

それでも問題が解決しない場合は、かかりつけの医師にご相談ください。受診の際には以下のことを伝えるようにしましょう:

  • 夜尿が以前からあったか、それとも最近始まったか。
  • 夜尿の量が多いか。
  • 両親のどちらかも夜尿症だったか。
  • お子さんの学習や行動に悪影響が出ていると思うか。

夜尿症は多くの場合簡単な治療でなおすことができ、何もしなければ何年も続いていたかもしれない場合でも、正しいアプローチを取り、適切に励まし、治療すれば、数ヵ月で改善することができます。

お子さんには辛抱強く接する必要があります。そして何より、とがめたり、罰を与えたり、責めたりすると悪化する場合がありますので、そうした行動はとらないようにしましょう。

夜尿症についての詳しい情報は、おねしょドットコムのサイトにてご覧いただけます

泌尿器・泌尿器がん領域について

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