夜中に目が覚める
夜間頻尿(夜間にトイレに行くために1回以上起きる必要があること)は、睡眠不足の主な原因の1つとなっており、男女とも50歳を過ぎると半数以上にみられます。最近のデータによると、欧州ではおよそ4,000万人の成人が夜間トイレに行く必要があるために睡眠が妨げられることにより、日中に倦怠感があり、結果的に心身の不調につながっています。
睡眠の大切さ
睡眠は、エネルギーの温存、体の回復や修復、代謝など、多くの重要な機能を果たしていますが、さらに重要な点は、睡眠によって認知機能が高まり、寿命が長くなるということです。
重要なのはトータルの睡眠時間ではなく、途中で起きずに十分な長さの睡眠をとることです。途中で何度も目覚めながら10時間眠るより、5~6時間目覚めずに熟睡した方がはるかに有益です。
最も重要で深い眠りは、一般的に就寝後3~4時間の間に生じます。この間に目が覚めてしまうと、日中のパフォーマンスに対する影響が大きくなります。
夜間頻尿 – 医学的な疾患
夜間には、体内でバソプレシンと呼ばれる抗利尿ホルモンの放出量が自然に増加し、つくられる尿の量が1日の尿量全体の約3分の1まで減少します。これにより、就寝後にトイレに行く必要が抑えられます。しかし、夜間頻尿では多くの場合、夜間につくられる平均尿量が膀胱に貯められる量を超えてしまいます。
近年、夜間頻尿は他の疾患の症状の1つではなく、れっきとした1つの医学的な疾患と認識されるようになってきました。夜間頻尿は、通常、夜間につくられる尿の量と膀胱に貯められる尿の量のバランスが崩れることによって起こります。最近の研究では、尿が過剰につくられることが大半の夜間頻尿の原因であることが示唆されています。
夜間頻尿の治療
夜間頻尿は、睡眠中につくられる尿量を減らすことで治療できます。フェリングで開発されたデスモプレシンは、夜間頻尿の治療薬として承認された初めての薬です。これは、ヒト抗利尿ホルモンであるバソプレシンのバソプレシンを基につくられた合成アナログです。腎臓内でバソプレシンと同様に作用し、水分の再吸収を高めることにより、体内でつくられる尿の量を減らし、夜間頻尿を改善します。
JP-CORP-2200004
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