この年の春、ノルディスク・ホルモンラボラトリー(Nordiske Hormonlaboratorie)社は、スウェーデンのマルメにある60 m2の古い賃貸工場で、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の生産を開始しました。このACTHは、現地のブタの下垂体に由来するものでした。ブタの下垂体はほかの家畜よりACTHが豊富であり、また、同地域の養豚場がよく整備されていたことが功を奏しました。
ストックホルムでファルマシアとオルガノンに勤務し、ほかのペプチドホルモンについて経験があったエバ・フランドセン(Eva Frandsen)が、これと同じ生産設備をパートナーらとコペンハーゲンに前年立ち上げ、生産を主導しました。ほどなく、ヘルマー・ハグスタム(Helmer Hagstam)がフランドセンのサポートをするようになりました。ハグスタムは後にフェリングの生産・技術部長を長年勤めました。
医薬品市場におけるACTHと副腎皮質ホルモンの登場は、抗免疫療法(antimmune therapy)の始まりであり、抗免疫疾患(antimmune disease)の治療に新たな可能性をもたらしました。その結果、ACTHの臨床開発研究が進み、新たな適応症が着実に追加されていきました。ポールセン博士はこの取り組みを主導し、長年にわたってスウェーデンの医師らとの間に築いてきた良好な関係をその取り組みに活かしました。
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